ギターの時間|gtnjkn

for around 50's,60's,70's,80's,90's,100's…Music Lovers.

マンドリン演奏会報告

マンドリンアンサンブルの宴 at みなとみらいホール

 2011年1月22日(土)横浜みなとみらいホール(小ホール)で「マンドリンアンサンブルの宴」(主催:アンサンブル・モザイク)が開催された。出演はトルバドール・マンドリン・カルテット、ヴァロール・クインテット、アンサンブル・モザイクの3団体だ。
 アンサンブル・モザイクは、2010年「みなとみらいアマチュア室内楽フェスティバル」でみなとみらい賞の副賞としてホールの使用権を得た。そこで開催されたのがこのアンサンブルの宴だ。トルバドール・マンドリン・カルテット、ヴァロール・クインテット、は「アンサンブル・ビアンカフィオーリ」の元・現首席奏者からなる実力十分の団体。それぞれの特徴を生かした充実した内容だった。
【全員合奏リハーサル風景のスライドレポート】
utage1 トルバドール・マンドリン・カルテット:高橋百合嫁(1mand)、山崎響(2mand)、田中毅(mand tenor、alte)、下鳥智恵美(mand cello)が演奏したのは「小組曲」(ドビュッシー/福屋篤編)、「闘牛士の祈り」(トゥリーナ)、「弦楽四重奏曲第1番」より第1楽章(ヒナステラ)。4人のバランスの良い響きが心地いい。
【演奏動画】
utage1 ヴァロール・クインテット:宮前州吾(1mand)、寺沢千恵子(2mand)、野澤真(mand tenor)、井口祐一(mand
cello)、関岡修(guitar)。演奏曲目は歌劇「オテロ」より“おお、空よ静かに”による変奏曲 Op.101(マウロ・ジュリアーニ/中野二郎 編)、「ア・メ・ム・ボ」(アンドウマユコ)、「メレナータ」(リカルド・サンドバル)、「ダンツァンブーコ」(リカルド・サンドバル)、「秋の夕暮れ」(マネンテ)。
 ジュリアーニではラコート・ギタ―が登場。たいへん趣味の良い音色でマンドリンの響きとの相性も素晴らしい。19世紀の上品で格調高い音楽を見事に披露した。
【演奏動画】
utage1  アンサンブル・モザイク:大塚文生、江口希(mand)、吉野彰真(mand tenor,cello)、松本郁子(mand cello)、宮崎純一、横堀雄士(guitar)、土橋まどか(contrabass)。演奏曲目は「ルーマニア民俗舞曲」(バルトーク/小穴雄一編)、「セレナーデ風ガボット」(アマディ)、「ホフマン物語」よりホフマンの舟歌(オッフェンバック)、「バーレスク」(大栗裕)。
  このアンサンブルは編成が楽しい。低音部がしっかり支えられていることもあってか、奥行きのある立体的な演奏だ。ルーマニア民族舞曲やホフマンの舟歌など、管弦楽曲も物足りなさを感じさせることなく聴きごたえがあった。
【演奏動画】
 プログラムの最後は3団体そろっての合奏で、「宴」らしく楽しく締めくくった。
 マンドリン・アンサンブルは数多くあり、それぞれに特徴を持つ。今回のこのコンサートはビアンカフィオーレの奏者が集まった形もあるが、個々の団体はそれぞれに個性的で、特色を生かした演奏で楽しませてくれた。企画としてのコンサート、盛り込まれたプログラムともどもすごくよく練られている印象を受けた。もちろんそんなことは、演奏中少しも感じさせない。こうして文章にしてまとめ返しながら、そう思う。
 積極的な活動の場、演奏の場を広げている姿勢はお見事! しかも演奏技術や表現力の高さは、こうした小編成の演奏会でよりハッキリわかる。そのプレッシャーを楽しんでいるあたりも客席に伝わる。そこがおもしろい。プロの演奏家でもなかなか味わえないマンドリンの時間、ならではのコンサートだった。

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です