児島絢子&槐 智明〜マンドリン音楽の夕べ〜レポート

 10月26日 児島絢子(mand)&槐智明(g)の二人による「マンドリン音楽の夕べ」と題したリサイタルが行われた。会場は東京・豊島区の雑司が谷音楽堂。

 昨年2011年第2回全国マンドリン独奏コンクールで優勝した児島絢子の音色はとても美しい。2006年よりドイツのハンブルク音楽院に留学。シュテファン・トレッケルに師事。その後もユディ・メニューイン奨学制度、Live Music Nowの奨学生としてドイツ各地で演奏活動を続けてきた。最近までベルリン州立音楽学校にて講師を勤めている。こうした豊富な演奏経験もあってか、彼女の親しみやすい雰囲気からか、最初から観客を引き込み一体となって音楽を奏でていく印象は、素晴らしい持ち味だと思う。
 1曲1曲簡単ながら曲を解説してくれるのだが、選び抜いた大切な曲という雰囲気も伝わり、美しい音楽に楽しく心を預けられる。

 彼女は両足を足台に乗せるタイプ。マンドリンの奏法に関して詳しいことを言えるような知識はないが、楽器を抱えたフォームはとても自然に見える。小さな楽器に合わせてからだで抱え込み、さらにフォームを小さくしながら演奏する人もいるように思うが、美しい音、躍動する音楽を演奏するマンドリニストは、総じて背筋はのび、演奏フォームを自然に感じられる人が多いと思う。彼女の先生であるトレッケル自身がフォームの美しい人であったことも影響しているかもしれない。

※ちなみにギターの時間では、2009年にトレケル&トレスターとして来日したおり、トレッケル氏にインタビューしているので参考にどうぞ。

 ギターの槐(さいかち)智明もまた、ドイツで学んだギターの名手だ。奏法、技術は確かだが、音楽は、どこか自由で豊かなトーンが響いてくる。当日は風邪をひいているとかで、コンディションが万全でなかったらしいのは残念だが、そんなことを感じさせない。ソロ2曲も披露し、会場を楽しませてくれた。
 最後にアンドウマユコ作曲「ア・メ・ム・ボ」のマンドリンとギター版が演奏された。小さな音の響きが次第に多く広がっていく様を、二人の巧みな演奏で表現され、心地良いイメージが広がっていくのを感じた。

 会場の雑司が谷音楽堂は2001年にオープンした住宅地の中にあるホール。かわいらしい外観と、木造の温かみのある内部。高い吹き抜けの作りで、音の響きも器楽にぴったりである。ステージに段差が無いため演奏者と観客が近く、和やかな雰囲気で音楽に親しめる。
 この日は2階バルコニー席までほぼ満席で、美しく楽しい音楽を共有できた喜びに満たされていた。
(撮影・文/かえるカメラ)
【プログラム】
Will Althoff:Ballträume
Oliber Kälberer:Preludio e Danza
MacCarteny:Yesterday
Raffaele Calace:Polonese
Raffaele Calace:Preludio Nr.2
Gabriele Leone:Sonate Nr.6
アンドウマユコ:ア・メ・ム・ボ

【関連リンク】
雑司が谷音楽堂
児嶋絢子 × 槐 智明「マンドリン音楽の夕べ」10/26東京で
児嶋絢子(こじまあやこ)FBページ
槐 智明 (さいかちともあき)HP

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