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マンドリン演奏会報告

初演緊張の心地よさ。アンサンブルテスタカルド第12回演奏会

アンサンブルテスタカルド定期演奏会より

2011/2/5 かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール(東京)

Photo by kaerucamera

ここ1〜2年、同アンサンブルから委嘱した作品だけを集めた意欲的なコンサート。その日、アイリスホールに詰めかけたの は、ごく熱心なマンドリン音楽ファンと、アンサンブルテスタカルド・ファンではあったと思う。が、この空間で演奏された作品は、音楽の中のマンドリン合奏 という特定分野をはみ出していた。

アンサンブルテスタカルド
このアンサンブル は、マンドリニスト片岡道子と門下生・田島 透を中心として1982年に発足、片岡さんが主宰する片岡マンドリン研究所門下生20名ほどのメンバーで活動 している。来年には30周年を迎えることになるが、この間に取り上げてきた曲は国内外の現代作曲家による作品が多い。“
テスタカルド(Testa Calda)とは、イタリア語で『熱く燃える、熱心な人たち』”とホームページに自己紹介されている通りで、大きなイベントへの参加毎にそれを機に作品を委嘱し初演作をプログラムに加えながら活動している。その意欲に驚く。

初演は聴き手にも自覚が問われる
ところで、「奏でる」誌からの依頼原稿中、このステージで聴いた作品の中では「個人的共感度では桜井至誠「Serenade」の時間感覚と危うい和声、鷹 羽弘晃「響めきの研究」の時間空間の構成美が好きだ。」と書いた。直後のこの印象は変わらないが、追ってビデオ編集しながら聴き返していると、各作品それ ぞれに個人的な感想の範囲でさえ「ツボ」を発見。それぞれにハマっている。たた1回のステージ体験で、どれほどのことがわかるのか? そこらへんが難し い。同時に、そこがおもしろい。それは初演作に限らず「音楽は」と言い換えてもいいと思っているが。

公演直前、二人の指揮者にコメントをもらったので別ウィンドウで紹介している。ともに、作品の解釈、表現の方向はリハーサルを繰り返す中からメンバーとと もに模索したり、独断したり。初演は自分たちのイマジネーションだけが頼りだろうから、そこが苦労でありやりがいでもあるだろう。そして、提示された演奏 から、今度は聴き手がさまざまな可能性の芽をみつけたりもできる。ともかく聴き返すほどに聴き所を発見する。困ったものだ。そしてその困惑が楽しい。

ステージ作品はCDとしてアンサンブルテスタカルドから発表される予定だ。
※ステージ上のマイクはその録音用。ギターの時間による動画は後方からのビデオ本体内蔵マイクによる収録。
【プログラム】
第Ⅰ部:指揮 桜井至誠
マンドリンオーケストラのための“airplane”/アンドウマユコ【本邦初演】
侍/加賀城浩光【本邦初演】
Srenade桜井至誠【委嘱新曲】
CAMERATA op.412(2009)木村雅信
1. Moderato  2. Marcia  3. Amarilli di Caccini  4. Finale

第Ⅱ部:客演指揮 齋藤友香理
響めきの研究 Study of tremor for mandolin ensemble/鷹羽弘晃【委嘱新曲】
Nacht-und Tagstücke  ・・・Lutz-Werner Hesse
1. Introduktion  2. Valse lente en passcaille
3. Ruhige Viertel,immer klangvoll  4. Allegro ritmico  5. Presto
ITINÉRAIRE  ・・・Sébastien Paci
Balloon  ・・・Oliver Kälberer
1. Improvisation & Kommunikation  2. Akzente & Verschiebungen
3. Legato ・ Rubato ・ Espressivo  4. Tonrepetitionen &

 

 

 

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