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ギター演奏会報告

震災に負けるな!斉藤松男クラシックギターミニコンサート

saitoh クラシックギタリスト斉藤松男さんのミニコンサートが3月19日、東京・新大久保のクロサワ楽器本店2階で行われた。(Photo:Kaerucamera)

震災から8日目。まだまだ被災地情報が十分に伝わらない中、東京圏でも余震が続き、買い占めが始まり計画停電が実施され始め、不安な空気が支配。イベントやコンサートは次々中止が発表され、ホール自体も自粛ムードが広がってきていた。しかし一方で、早期に「自分でできることを」という決意の元に支援、復興への一助とすべく義援金募集を大きなテーマに掲げながらコンサートを実行する音楽家たちの活動も聴こえてきた。
「僕は岩手出身。東北人の根性を見せたい」と、今回のイベントも小さな催しとはいえ、大きな決意と意思表示をしたたいせつなコンサートになったように思う。 

予想を裏切り席数を増設して集まったひとたちは、開演前から出演者に質問の嵐。セミナーのような要素を含みながらの公演となった。斉藤さんもおおよそ演奏する曲を決めてきていたはずだが、客席からのリクエストに応えたり、演奏技術に関するコメントを挟んだり。奏者も客も席が近いという位置関係から、手元を覗き込むお客さんも多く、逆に斉藤さん、緊張気味だったかもしれない。

withramirez ちなみにこの日使った楽器は斉藤さんのラミレスと、クロサワ楽器に新入荷したばかりのラミレスのスペシャルモデル「オーディトリオ」。斉藤さんのは660ミリのロングスケール。こちらは650ミリの標準。斉藤さん曰く

「自分でも手が小さいのに、ロングを使うのは、やはりこの低音の響きと余韻がほしいから」と絃を弾く。余韻がどこで聴いても深い。一方このギターもその深さを継承している。ラミレスらしさに溢れている(オーディトリオスペック)。
最後の最後にリクエストに応えた「アルハンブラの思い出」。演奏途中でまたも大きめな地震が来た。しかし斉藤さんあわてず、あたりに視線を向け治まり具合に注意を向けながらもトレモロの回転をゆるめず、最後のフェルマータの余韻を止めるところまで、文字通り「地震に負けず」弾き通した。 


聴き慣れたこの曲が、また被災地となった東北にも響くときが、一刻も早く来ることを願う。
がんばれ東北! がんばれ日本!!

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