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マンドリン演奏会報告

慶應義塾マンドリンクラブ創部101年演奏会。新世紀へ!

(撮影:kaerucamera/2011.7.16 東京オペラシティコンサートホール・タケミツメモリアル)
 7月16日、慶應義塾マンドリンクラブ創部101年演奏会~KMC新世紀に向けて~ と題したコンサートが行われた。昨年の100周年記念コンサートに続き、101年、つまり次の世紀、200年へ向けた第一歩を記念する公演となる。慶應義塾マンドリンクラブ=KMCは一昨年も、ここオペラシティで「前年祭」を行っており、同ホール2回目の公演。当取材班は昨年のサントリーホールに続き取材の機会を得た。

 演奏は「KMC創部100周年記念オーケストラ」。年齢は現役学生から昭和29年卒業生(81歳)までと幅広い。プログラムは、二部構成。一部にマンドリン合奏のオリジナル作品を集め、二部はクラシックのアレンジ作品を並べた。指揮は一部=久保光司氏、二部=小穴雄一氏。久保さんは、じつはイタリアのマンドリン・オリジナル作品に触れるようになったのは、卒業後、社会人オーケストラを経験するようになってからというところがポイントで、往年の先輩たちによる演奏を知らないのだ、と以前伺ったことがある。そのため音楽解釈が新鮮で、メロディーを歌わせるポイントが馴染みやすい。かといって、ロマンティックすぎず、緩急の節度とトレモロのさざ波がクールでスマートだ。
 二部は、すべて小穴さん自身の編曲。大編成マンドリン・オーケストラのツボ〜いわゆる管弦楽法的な意味での普遍的な響きの再創造もさることながら、それとともに、うた〜メロディーを際立たせることが見事だ。自身で指揮し、それをより的確に表現する。長らくKMCほか慶応義塾OBの方が所属するマンドリンオーケストラを任されているのは、そこに音楽の魅力そのものを見ているからだろう。一部との対比も、そこで際立つ。
 
 この二部では、チェロ曲の小品「ハンガリー狂詩曲」をマンドロンチェロ独奏入りのかたちで編曲し用意した(独奏=田中俊也ー慶応義塾大学一年生)。そしてもう1曲、歌劇ラ・ボエームから「愛の二重唱」をプログラムに加えた。この曲はプッチーニの悲恋ストーリーを持つ歌劇の中でも1、2を争うドラマチックで美しいメロディーを持っている。時に難解な作品を探し当ててきてプログラムに据えることも楽しみにしている小穴さんのもう一つの顔は、こうしただれにでもわかりやすい大ロマン派のような作品を流麗に仕上げてしまうところではないかと思う。この日は、昨年の記念演奏会でもステージに立ったソプラノ・手島由紀子さんとテノール・大澤一彰さんが、オペラの一幕そのままのステージを聴かせてくれた。イタリア音楽は、うただ! マンドリン合奏によるメロディーと肉声によるうたの共演。これは音楽の贅沢なたのしみだ。

 ここで、山口 寛さんがゲストコンダクターとして指揮台に立った。社会人団体「オルケストラ“プレットロ”」を主宰する山口さんは、創部100年記念演奏会の実行委員長でもあり、プログラムに文章を寄せている。以下編集部要約。「創部後100年の間には、関東大震災や戦争、米軍によるキャンパス接収などにより、いったんは部の楽器、楽譜なども喪失。が立ち直った。今、101年、新しい世紀は東北大震災からの復興〜新しい日本の創造とともにある。長い復興への道を側面から応援し続けたい、こころの音楽を演奏し続けたい」と。
 氏は、「ジュトゥヴ」など小品を振り、オケは可憐に演じた。大編成オーケストラの小品。これも贅沢な楽しみの時間だ。

 最後を飾ったのは「美しき青きドナウ」。小穴雄一編曲/指揮。フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットといった木管が入り、カラフルな極上のワルツに仕上げた。

 この「KMC創部100周年記念オーケストラ」は、この日をもって解散ということになったわけで、これで一段落ということになるだろう。が、KMCオーケストラの伝統を継ぐ社会人団体はいくつかあるし、それぞれ魅力的だ。加えて新世紀の第一歩を歌い上げた情熱は、またカタチを変えてそれぞれの場面で継がれていくだろう。いち大学のお祭りという範疇を軽く越えて、マンドリンの新世紀創造に、きっとつながっていくはずだ。

【プログラム】
曲目
1部(マンドリン合奏のオリジナル作品を集めて)

指揮:久保光司
慶應義塾塾歌(信時 潔)
過去へのオマージュ(L メラ-ナ・フォクト)
スプレーン(A アマディ)
夏の庭(P シルベストリ)
英雄の挽歌(C ラッタ)
2部(クラシックナンバーより)
指揮:小穴雄一

歌劇「ザンパ」序曲(L エロール)
ハンガリー狂詩曲(D ポッパー)/ マンドロンチェロ独奏 田中 俊也
歌劇「ラ・ボェーム」より第一幕フィナーレ「愛の2重唱」(G プッチーニ)/ ソプラノ独唱 手島由紀子 / テノール独唱 大澤 一彰
円舞曲「美しく碧きドナウ」(J シュトラウスⅡ世)

1 コメント

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