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マンドリンニュース

マンドリン楽団を55年ぶりに再結成

(南アルプス市ふるさとメールより)
 南アルプス市加賀美の深沢清次さん(82)と青柳一夫さん(82)は、福祉施設やふれあいサロンに出向いて、マンドリンの演奏会を開いている。終戦直後に同じ楽団に所属していた2人は、5年前に楽団を“再結成”。55年の時を経て奏でる音色は地域で話題となり、演奏会の開催依頼が相次いでいる。

 深沢さんと青柳さんは、終戦直後の1946年から地域住民有志10人ほどで「瞳楽団」を結成。広場に仮設ステージを造り、白いズボンに紺色のブレザーを着て「酒は涙か溜息か」など演歌を中心に演奏していた。メンバーの楽器は、マンドリンやギター、アコーディオンなどさまざまだったという。終戦後は地域にも多くの楽団があったが、戦後の復興に伴って職に就くためメンバーがばらばらになり、5年間の活動に終止符を打った。
 再び活動するきっかけになったのは5年前、深沢さんが自宅の掃除中に、タンスの上でケースにしまってあったマンドリンを偶然見つけたことだった。昔懐かしい気持ちで数十年ぶりに手にしたところ、「思いの外、昔の感覚を覚えていた」(深沢さん)という。
 「もう一回、一緒に演奏しないか」。懐かしさやうれしさから、近くに住む当時のメンバーの青柳さんにすぐさま連絡した。青柳さんも長く楽器から離れていたが、旧友からの誘いに「やってみよう」と、二つ返事で快諾。楽団解散後、特別な交流はなかった2人だったが、音楽を通じて気持ちが一つになったという。
 同年代の高齢者に昔懐かしい音楽を聴いてもらおうと、市内の福祉施設などを演奏会の場に選んだ。練習は、本番の2日前から音合わせをする程度。「昔からの仲。感覚で合わせることができる」(青柳さん)。長年のブランクがあっても息はぴったりだ。
 演歌の「赤城の子守唄」「人生の並木路」など、100曲以上のレパートリーがあり、演奏会では20~30曲程度を披露。地域で話題となり、最近では週1日ペースで開いているという。
 青柳さんは「当時の昔懐かしい曲を演奏すると、若いころの思い出がよみがえってくるよ」と笑顔。深沢さんは「生きがいとして、これからも2人で楽しみながら演奏していきたい」と話している。

(写真)マンドリンを演奏する深沢清次さん(左)と青柳一夫さん=南アルプス市加賀美

【山梨日日新聞社 9月7日掲載】

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