稲垣 稔さんに聞く「レオナルド・ブラーヴォ & 稲垣 稔 ギタージョイント・コンサート」2/25

top.jpgレオナルド・ブラーヴォ & 稲垣 稔 ギタージョイントコンサートによせて

(Photo:K.Tomimori)

 

来月2月25日(金)名ギタリスト2人によるジョイントコンサートが東京で行われる。ともにクラシックギター1台による 演奏家としては、熱烈なファンを持ち、音色の美しさにも定評がある。ことに稲垣さんのテクニックの素晴らしさは、ファンの間では伝説化している。あまりソロ・コンサートをやらないこと、また残されているCDも少なく、それも厳選されたプログラムによるものばかりなので、伝説に拍車がかかりがちだ。その稲垣さん、じつは他の楽器と共演しているステージも少なからずあるのだが、ギター同士のジョイントは極めて稀。コンサートを前に、音楽家=稲垣 稔に、近況を聞いた。 

いながきみのる 兵庫県明石市出身。11歳でギターを始め、佐本博、近藤敏明両氏に師事。

1975年、第2回日本ギターコンクール(大阪)第1位。77年、渡仏。パリ国立高等音楽院ギター科に入学、A. ラゴヤ氏に師事。
1980年、同音楽院を首席(プルミエ-プリ)で卒業。パリU.F.A.M. 国際音楽コンクールギター部門第1位。第6回セゴビア国際ギターコンクール(スペイン)第1位。
81年、第6回ガルニャーノ国際ギターコンクール(イタリア)最高位。
82年スペイン・日本両政府主催による「日本週間」で日本人ギタリスト代表としてリサイタルを開催。
84年、ジョルジュ・シフラ主催の新進演奏家オーディションに合格。
85年、フランスのテレビ番組「ユネスコ40周年記念」にゲスト出演。
87年、サブレ国際ギターコンクール(フランス)第1位。

1993年、第48回文化庁主催芸術祭音楽部門で、『芸術祭賞』を受賞。
94年、CDアルバム、「ソナチネ」「ファンタジア」「レヴリ」の3枚を発表し、いずれも「レコード芸術」誌等で特選などの高い評価を得る。

1995年、兵庫県より、平成7年度「兵庫県芸術奨励賞」を受賞。また、同年イケヤ = セキ彗星の発見者として名高い関勉氏により、新発見の惑星に「イナガキ」の名が付けられた。これは現代ギタリストとしてはセゴビアに次いで2人目となる。
これまでにフランス、スペイン、イタリア、スイス、韓国、日本等でコンサートや講習会を催すほか、TV・ラジオにも出演し、幅広い活動を行っている。
ーー稲垣さんの中では、日常、たとえば、朝起きたときとか、コンサートの当日とか。あるいはギターを持っていないとき、音楽はどのように存在していますか? 

稲垣:なかなか難しい質問ですね。これといった具体的なことではありませんが演奏のコンディションが良い時にはギターを弾いていない時でも頭の中で絶えず音楽(曲)が鳴っています。これは自分で努めてそうしているわけではなく自然に頭の中で鳴り響いています。しかし体調や雑用に追われて自分自身の中で精神的に余裕がない時は鳴っていませんね。ですからいつも頭の中で音楽が鳴り響いている状態に持っていきたいと思っております。
ーークラシックギターを取り巻く環境で、1980年代90年代、つまり留学された頃、帰国された直後と近年を比較して変わったこと、変わらないことなど、感じていらっしゃることを教えてください。

稲垣:私が海外に留学する以前(35年ぐらい前)と現在では随分変わったと思います。例えば以前でしたら舞台で いろいろな曲を演奏していても聴衆の反応があまり良く分かりませんでした。勿論自分自身の演奏レベルにも問題あったかも知れませんがどの曲を弾いても拍手の差が殆んど無く観客の皆さんは知らない曲を一方的に聴かされているといった 印象でした。
しかし今では聴衆の方もかなりマニアック(いろいろな曲を知っていてかつ演奏もされる)でこちらの演奏で調子が良くいい演奏が出来た曲には乗りも良く拍手が大きいですですがあまり演奏が良くなかった場合には拍手も少なく皆さん 正直に反応されますね。これは私たち演奏家にとっては非常にシビアで厳しいことかも分かりませんが逆にシビアだからこそ励みにもなりますし演奏家自身の向上にもつながることで良いことだと思います。
ーーブラーヴォさんとは最近知り合い、交友が始まったように伺っています。

稲垣:実はブラーヴォさんが素晴しいギタリストであるという噂は以前から知っていました。2人共狭い日本で生活し活動していたにも拘らずなかなかお会いする機会がありませんでした。
しかし昨年ギタリストの田口秀一さんが主催で私も毎年参加していますサマーセミナーに快く参加して頂き、そこで初めて彼とのデュオ、田口さんとのトリオのコンサートが実現しました。想像していた以上に素晴しい演奏をする方で感動しました。ある雑誌のインタヴューで彼が「自分は魂を込めて演奏します。」ということを仰っていましたが、まさにその通りの演奏でした。音色も素晴しく人の心を打つ演奏でギタリスト以前に音楽家として私は彼を尊敬しています。
その時は彼の作曲した作品を私は演奏しましたが作曲の才能も素晴しいものをお持ちだと思います。いつのことになるか分かりませんが是非私の為に曲を書いて頂きたいと思っております。
ーー2月のコンサートがたいへん楽しみです。

稲垣:その様な経緯でブラーヴォさんと東京でジョイント・コンサートが実現出来たことを本当に嬉しく思っております。最初にブラーヴォ さんと会うきっかけを作って下さった田口さんと今回のコンサート実現に向けて快くマネージメントを引き受けて下さった「絃楽器のイグチ」の井口社長にあらためて感謝致します。

今回のコンサート、第1部ではお互いのソロ、第2部ではデュオといった構成ですがL.ミランやA.ヴィヴァルディといったルネッサンス、バロック作品からI..プレスティ、J.Wデュアルテのギタリスト・オリジナル作品、A.ピアソラ、M.コロネル、J.オルボン等の中南米の作品に至るまで幅広いプログラミングになっておりますので1人でも多くの方に聴いて頂ければ嬉しいです。

ーーこのコンサートを含め、今年はさまざまなステージで稲垣さんを拝見できそうですね。

稲垣:私の「今年の 抱負」は、ソロ活動は勿論、ブラーヴォさんの様な素晴しい演奏家ともっともっと出会って共演出来ればと願っております。
演奏スタイルも、以前はミスをしないで正確に弾くことに捕らわれていましたが今はそのことよりも自分の心(感情)を素直に出せる演奏が出来ればと思っています。そして これからもギターが持っている独特の音色の魅力にこだわり続けて行きたいです。

※クラシックギターというのは、こんな世界を創り出せるのかということを、改めて聞かせてくれるコンサートになりそうだ。

【チケット】
前売り:3,500円 当日:4,000円
【問合せ】 

(有)絃楽器のイグチ(03)3378-5357

(株)現代ギター社(03)3530-5342
都内主要ギター専門店
【主催】
(有)絃楽器のイグチ(03)3378-5357

【稲垣稔 今後の予定】
●フルート&ギターで奏でる Dream Travel  -バッハからピアソラまで-
安藤 史子(フルート)、稲垣 稔(ギター)
2011年3月12日(土)/開演13:00
モデルオフィス大阪 (大阪市北区中之島3-3-3中之島三井ビル18F(京阪中之島線 渡辺橋駅・地下鉄四つ橋線肥後橋駅スグ)
3,000円(全自由席)
[問]Office Sekkei:http://www.officesekkei.com/
電話(06)6646-1911 

●伊福部 昭の音楽Vol.3
ヴァイオリン 堀内 麻貴/ピアノ 加納 麻衣子
2011年3月27日(日)/開演19:00
東京文化会館 小ホール
4,000円(全自由席)、2,000円(学生券当日のみ)
[問]オフィス小野寺 050-7511-8457(15~21時)

稲垣 稔公式サイト:http://www.m-inagaki-guitar.com/

 

 

 

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