サンドバル&コレー・インタビュー4回目。楽器の紹介に続いて少し音を出してもらった。間近で聴き、見る演奏方法がまたおもしろい。サウンドの個性とあいまって、ベネズエラの暑い空気に包まれる感じ。マンドリン族にこんな仲間がいたんだ!!
(interview&photo:Kazutaka Ebe/transration:M.Sakamoto)
ーー実際に音を出してみてもらえますか?
Sandoval:これがクアトロの音だよ。コード弾きにいいんだ。
ウクレレみたいだろ? ウクレレと違うのは・・・ストロークのバリエーションがすごくいっぱいあるんだよ。
Sandoval:昔はただの伴奏楽器だったんだけど、ここ20年で達人がいっぱいでてきてメロディーとコードをいっしょに弾いたりね。
Sandoval:これはバンドーラ。音としては弾き方によってはふつうだけど、つまりこんなふうに弾くやり方はベネズエラ音楽だけのものなんだ。
ダウン・ダウンで弾くんだ・・・
Sandoval:もともとクアトロは15フレットまでしかなく、それが最近17に、そして19フレットまでついたものがつくられるようになって。それで最近また名手のために作ったものは24フレットまであるよ。
Sandobal:これはバンドーラ。これも昔は7フレットまでしかなかったんだ。こんなふうに弾く。
一番低い音は曲に応じてチューニングを変えて弾くんだ。
こんな弾き方とか・・・。
1970年代にこの奏法を編み出した人がいるんだ。爪とピックで弾く。ピックでダウン、爪でアップ。トラディショナルな弾き方が変化していく順に弾いてみよう。最初がトラディショナルね。2番目が少し変化する。
そして、こうなる・・・。
ーー1970年代の話なんですね?
Sandoval:そうだ。そこからバリエーションが広がっていく・・・。
ーーアラビアン〜アンダルースぽい響きですよね?
Sandoval:アンダルシアにはアラブ系の人が住んでいて、そのひとたちが南米に来たとき持ってきたんだ。それで発展したからベネズエラやコロンビアにはあるんだけど、スペインには、もうこの楽器は残っていないんだ。コロムビアとの国境地帯、ベネズエラの西方には復弦の4コースの楽器がある。その楽器は低音側2本はオクターブ違いの弦が張ってある。
・・・というわけで、バンドーラを使った演奏サンプルはこちら。
※ベネズエラ音楽というのは、南米音楽ファンの中でしか認識されて来ない面があったと思うが、いやいや楽器から眺めても興味を引かれることのなんと多いこと! 次回は、ステージングのリハーサルの様子をもう一発レポートします!
<続きます>