2009-02-02 ギターの時間

マンドリン界の若きホープ、堀雅貴さんの登場です。
堀さんは中学校入学と同時にマンドリンに惹かれ、
以来、ソロ、合奏、指揮と、着実にマンドリン音楽のエッセンスを
学んできました。今はコンサート活動のかたわら、
講師としてレッスンにも忙しい毎日です。
堀さんは、また久保田 孝氏に師事、久保田メソッドの実践者として、
次代のマンドリン界を担う役割を買って出ています。


○●○  マンドリンとの出会いを教えてください。

堀  母が音大の声楽科を卒業しているんですが
自宅ではピアノ教室をしていたので
僕自身小さい頃からクラシック音楽にはなじみがあったんです。
それからオケのCDなんかもよく聴いていたんですが、
弦楽器と管楽器、 やる音楽も音量もずいぶん違うなと、思っていました。
その中で、僕はなぜか弦楽器に惹かれたんです。
中でも小学校の頃からチェロの音が好きで
できればチェロをやりたかったんですよ。
でも中学にはオーケストラ部がなかったので、
じゃ、なんだろうと見回したら
マンドリン部があって。
これも楽しいんじゃないか、と思って入部したんです。

○●○  はい・・・。

堀  マンドリンクラブといっても
マンドリンオーケストラの形をとっているので 
マンドリンも種類が豊富ですしね。
そこにさらにクラシックギターと
コントラバスが加わるという編成でした。

○●○  マンドリンオーケストラの基本形といっていいですね。

堀  うちは中高一貫なので、部活も
中高いっしょにやるんですよ。
全6学年のうち、高校3年生はほとんど引退、
中心というか幹部は高校2年生で、
その学年のひとたちが
指揮をやったりコンサートマスターをやったり
部長をやったりと言った形で運営に関わるんです。
それで、最初、体験入部で、入ってみたら、
ある先輩がソロを弾いていたんです。
これにしびれました。

○●○  ソロ曲だったんですか?

堀  じつは定期演奏会で協奏曲を1曲やるという習慣があって
先輩はそのための練習をしていたんですが
その演奏の華やかさがすごくて。

○●○  ほお!

掘  だから音楽シーンで、マンドリンが、
どちらかといえば
マイナーな楽器だとか、そういう
印象はなくて。
もちろん楽器としては知っていましたし。

○●○  はい。

堀  中学進学が決まったときに
親といっしょに楽器屋さんをのぞこうかと
バイオリンが並んでいるお店に入ったんです。
そしたら隅っこに数台並んでいた。
最初は、へんな形の楽器だな、と。
穴が真ん中に一個あって
ヤシの実みたいな形だし、と。

○●○  少し離れてみていた、と。
堀  でも、うちの中学は、
入学すると校歌をテープで
渡されるんです。
演奏は、唄がグリークラブ、伴奏が
明治大学マンドリンクラブでした。
音色を聴いて「あ、あの楽器だ」と、すぐにわかって。
そんなことで急速に身近になり
魅せられて行ったかんじですね。
○●○  なるほど。
堀  だから入部してからギターかコントラバスの
どちらかをやろうか、ということも
まったく考えなかったですね。
○●○  なるほど。中学以前の楽器体験は?
堀  気がついた頃には母のピアノ教室に
入ってました。3歳くらいの頃かな…(笑)。
ピアノをやっていた期間は短いんですけど
聴音とかソルフェージュといった
音楽的な基礎教育は受けていたことになりますね。
○●○  なるほど。先生につかれたのは?
堀  マンツーマンのレッスンという意味では
とくにはいらっしゃらないんですが、
久保田先生は、うちのマンドリンクラブの
音楽監督だったので、久保田先生の指揮、指導のもとに
勉強させていただいたというかんじにはなりますね。
夏合宿のとき
一度先生にマンツーマンで基礎的な指導を
していただく機会があったんです。その後、
中1の終わりの頃から合奏に入りました。

で、毎年幹部は高校2年生がやるわけですが
その準備段階として
毎年高校1年生のときに次期指揮者と
コンサートマスターは、希望すれば
久保田先生のところに
習いに行くことができたんです。

で、中学3年の終わりのときに
じゃ、次どうするか、というときに
僕が指揮者に決まり、
最初は指揮科で行くことになりました。
○●○  なるほど。
堀  ただ、僕は指揮も魅力的だったけど
最初に惹かれた先輩の演奏が忘れられなくて
いつかソロをやりたい、ってずっと思ってましたから。
入門のために初めて先生のお宅に電話する時
自宅の電話の前で
「なんて言おうか??」
…と30分くらい正座しながら考えて…。
○●○  ほおっ!
堀  部としても前例がないことだったので
すごく緊張したことを覚えているんですけど(笑)。
「指揮科」と合わせて「器楽科」も
やらせてもらえませんか。
というお願いをしました。
○●○  ……で!?
堀  そしたら「あ、いいよ」と意外にもあっさり・・・。
○●○  よかった!(笑)
堀  それで両方始めたっていういきさつがあります。
○●○  そうだったんですか。

(続きます)

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