2009-02-09ギターの時間
指揮法を習得しながら日々マンドリン演奏に親しむ中で、
すぐにクボタメソッドと出会ったそうです。
そして久保田 孝氏指導のもとで培ったスタイルは
現在の彼を支えるマンドリンスタイルでもあり続けています。
○●○ | マンドリンの演奏法というのは確立されているんですか? |
堀 | 演奏法としては「クボタメソッド」 と言うのがありますが、 これはマンドリン界というより、実際に熱心に 取組んでいるのはクボタ門下生中心 になると思うんですが。 |
○●○ | そうなんですか? |
堀 | それ自体は中学で入部した時点から 始めているんです。 オーケストラがそのメソッドに基づいて やっていましたから。 だから先生のところでは、もっぱら 和声学とかアナリーゼとか そういったことを中心にやっていました。 |
○●○ | マンドリン界でメソッドとしているものは ほかにどんなものがあるんですか? |
堀 | 確立しているのは、おそらく クボタメソッドだけだと思うんですけどね。 マンドリンの教本はたくさんあるんですが 基本的にはあまり言ってることに 変わりはないと思います。 |
○●○ | どんな楽器の場合でも 極端に違うことはあまりないでしょうね。 |
堀 | そう…思います。楽器を構えたときの 左右の手のポジションに 若干の違いが見えることもありますが そう大きな違いとは思いません。 |
○●○ | そうでしょうね。 |
堀 | ではクボタメソッドとは、どういうことかと言うと 「トレモロの数を数えて合わせる」ということです。 先生自身の言い方と少し表現が 変わってしまう部分もあるかもしれませんが、 ギターの場合だと 弾く手段が人差し指、中指、薬指の3本を使うことが 前提の場合が多いと思うので そのように書かれることも必然的に多いと思うんですけど マンドリンの場合は音符と音符の間に スラーがかかっていれば 「そこはトレモロで弾く」 という指示になりますね。 そのときに多くの人が考えているトレモロは 「ピックの上下運動を早くする」 というだけで ツブの数を、ここは11回、ここは10回とか 僕らはそれをやるんですよ。 |
○●○ | ほほー!!それは中学で マンドリンクラブ入部のときからですか? |
堀 | ええ、そうです。 なぜ数を揃えるかと言うと合奏の響きを揃えたいからなんです。 |
○●○ | 現在の教え方の基本にはそれを入れているんですか? |
堀 | 何をやりたいか、生徒さんの希望に合わせて ケースバイケースですが、合奏でやる場合は 必要に応じて教えさせていただいてます。 僕は初心者大歓迎でやっていますので 大学生、主婦の方 地元のサークルでやり始めたけど基礎がないので 補習的な方も多い。 入り口ごとぜんぶそれぞれ担っていると思うので。 たとえばギターであればこう持ってもう鳴らすということはそう変わらないと思うんですけど マンドリンの場合は、かなり大きく違っていることがあって すごい弾き方をしている人たちがいて それはなぜ?と聞いたら 先輩が教えてくれた方法です、と。 |
○●○ | 足台の使い方、足のセッティングはオーケストラ
によっていろいろありますね?
|
堀 | けっきょく足代を使うことの意味を わかっていないままやってらっしゃる人たちも 多いんですね。 なぜそうするかといえば マンドリンを弾きやすい位置に 持ち上げるため、ですからね。 僕は足台を使いますが 足を組む場合、 なぜ組むのか?を明快に言える人は じつは少ないのではないか? というのが僕の印象です。 |
○●○ | たんに組むものだ、という思い込みだけということでしょうか? |
堀 | それに近いのが実態です。形式的と言うか。 イタリアだから、みたいな(笑) |
○●○ | なるほど。 |
堀 | そんな感じなので各クラブで入り口の入り口が 違っていると思います。 |
(続きます)
バックナンバー:第1回 マンドリンとの出会い |
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