ギターの時間|gtnjkn

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マンドリン演奏会報告

ふたつのマンドリンとピアノの室内楽、23日は東京・谷中の“やなかホール”で

lunch2_4 一児の母をしながら関東でソロ演奏活動中のマンドリニスト、竹間久枝と桝川千明、そしてピアニスト・瀬川玄のトリオによる演奏会が、去る2月4日新宿文化センター大ホールで行われた(撮影:かえるカメラ)。同トリオの公演は、今月もう1本、23日東京・やなかホールで行われる。

 竹間久枝が、昨年、行った前橋公演でのプログラムを軸に再構成した内容で、彼女の選曲らしいクラシカルなヴァイオリン作品の中に眠るマンドリンらしさを引き出した中身の濃い演奏が楽しめる。
 すでに終了した新宿文化センターでの公演は、「ランチタイムコンサート」と題した大ホールでのステージ。無料でお昼の1時間を、クラシック音楽で楽しむことができる同センターのオリジナル企画として行われた。
 このホールは、ストラスブールのオルガンメーカー・アルフレッド・ケルン社によるフル・スケールのパイプオルガンが設置された由緒正しいクラシックのコンサートホールで、マンドリン合奏団による大編成コンサートは体験済みだが、マンドリンのソロやマンドリンの室内楽を聴くのは初めてであった。そもそもクラシック・コンサートでよく使われる大ホールで、小編成マンドリンを聴く機会自体がなかなかない。

 クラシック・ギターもそうだが、演奏者を身近かに感じ、フィンガリングやピッキングの気配をも感じながら音楽を聴くことは確かに楽しみなのだが、こうした大きなホールで浪々と歌う室内楽は、また格別の楽しみがある。どうかすると、「広すぎる」「音が届かない」と、先に限界を作ってしまうアーティストが多い中、今回のステージは、企画としても出演者としても挑戦的な側面があったといえるだろう。けれど、心配無用。少なくともこの二人の演奏は繊細さと豪放さを併せ持ち、マンドリンらしさに満ちたフレーズを隅々にまで満たした。サウンド全体を支え、終始マンドリンに寄り添っていた瀬川玄のピアノも成功の大きな要因だろう。1曲だけ演奏してくれたピアノソロによる「ゴリウォーグのケークウォーク」は、この人の実力とピアノ・ソロの楽しさを凝縮していて、これも素晴らしかった。

 アマチュア合奏団でも演奏される機会の多いドビュッシーはもとより、ヴィナッチャとカラーチェが奏でるキラキラとしたフレーズによるバッハ、そしてロッシーニは、音楽の宝石のようだ。23日の公演にもぜひ注目!

882_431197530285578_270254980_nふたつのマンドリンとピアノの室内楽
マンドリン:桝川千明、竹間久枝
ピアノ:瀬川玄

2月23日(土)15:00開演
やなか音楽ホール
http://www.yanaka-music.jp/

プログラム
小組曲 ドビュッシー
二つのバイオリンのための協奏曲ニ短調 BWV1043 バッハ
セビリアの理髪師より ロッシーニ/ムニエル編
ほか

チケット問合せ
イケガク:03-5952-1391
絃楽器のイグチ:03-3378-5357
山本ミュージックコーナー:03-3363-9893

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