お待たせ! サンドバル&コレー・インタビューの2回目です。世界を股に、演奏旅行を続けているリカルド・サンドバル推薦のベネズエラ音楽とは?
(interview&photo:Kazutaka Ebe/transration:M.Sakamoto)
ベネズエラ音楽の参考書は?
ーーベネズエラの音楽、演奏で推薦できるアーティスト、演奏家、CDを教えてください。
Sandoval:ベネズエラ音楽? いっぱいあるんだ。まず、挙げたいのはエンサンブレ・グルフィオ。トラディショナルなグループだ。もうひとつはエル・クアルテートだな。片やパリ音楽院を出た人がメンバーにいて、もうひとつはイギリスの音楽学校を主席で卒業した人がやっている。彼らはクラシック演奏家としても最高に評価が高い。だけど、彼らは進んでベネズエラの伝統音楽〜民族音楽も演奏するようになったんだ。すると、それまで、ベネズエラ音楽は「低俗」なレッテルが貼られていたんだけど、彼らが所属するオーケストラの中でも、追従してくる人たちが出てきて、クラシックもやる、ベネズエラの音楽もやる。おかげで音楽の評価もぐんと上がったんだ。つまり彼らはベネズエラ音楽にとって革命的な役割を果たしたんだ。
▲エンサンブレ・グルフィーオ「マロア」。4曲目のトラック「MORENITA」。クアトロのチェオ・ウルタード、マンドリンのクリストバル・ソト他4名のミュージシャンによって1985年に結成された。これは1991年にレコーディングされた1stアルバム。
▲エンサンブレ・グルフィーオの「エル・クルサオ」から「EL MARIMBOLERO」。1994年に発表された2ndアルバム。メンバーは結成時と変わらず、ベネズエラ最高峰のソリスト達による至高のアンサンブルが堪能出来る一作。
▲「エル・トラバデドス」から「EL TRABADEDOS」。黄金の結成時オリジナル・メンバーによる1996年発表3rdアルバム。円熟の度合いを加え、先鋭的な音作りが冴える一作。
▲「セシオネス・コン・モイセス・トレアルバ」から「SAN RAFAEL QUITAPESARES」。バンドーラの名手、モイセス・トレアルバをゲストに迎えた2002年のアルバム。ハイレベルな弦楽アンサンブルが聴きどころ。
▲「セリエ・ロ・マキシモ」キンテート・コントラプントとエル・クアルテートという個性の異なる2つのグループのコンピレーションから「LOS HELECHOS」。
彼らの他に、もうひとり注目してほしい、クラシックのバイオリニストでスーパープレイヤーがいるんだけど、彼もベネズエラの民族音楽を盛んに取り上げているよ。
(※)ジャケット写真と解説は、南米音楽を紹介しているサイトMACHU PICHUのデータを参考にしました。MACHU PICHUは、CD、DVD、楽器教則本、楽譜集、楽器など、フォルクローレ関連商品の専門店です。ここに紹介しているCDはMACHU PICHUで、購入できます。