ーー伺っていると、メトロポリタン・マンドリン・オーケストラは、音のパレットを作品毎に、自分たちで作り替えていたり、別のパレットを持ってくることもある、というようなことでしょうか?
佐藤:・・・ということもあれば混ぜることもあるし。
笹崎:ケース・バイ・ケースですね。
佐藤:そのパレットの色数は、確実に増えていますよ。
ーーでも、トレーニングのように反復練習するような方法だけではカバーするのが難しそうですね?
笹崎:楽団内でのイメージの統一がなかなか難しいですね。毎回模索しながらやっています。今回もドビュッシーでは、そもそもどんなオペラなのか? というところから勉強会をやり、どの動機がどのように展開されているのか、といったことや、シベリウスの作品の構成はどうなっているのか?といったことを半日くらいずつかけてレクチャーし、関連した曲を聴いてもらったり、ということを準備の一環としてやりました。楽曲のとらえ方から意識を揃えようとしていますね。
佐藤:いろいろ試行錯誤してますよね。そういう頭で知識として「揃える」ということもやりますし、声を使って歌で揃える、ということもやります。自分で声にして発声している音と、自分で演奏して鳴らしている音とのギャップを詰めていったり。まったく異なるオペラのいちフレーズでそういうことをやってみたり。
ーーああ、それはおもしろいですね。
佐藤:今年は工夫のひとつとして、今回演奏するドビュッシーのオペラをみんなで見に行きました。お金も手間もかかることだけど、とても参考になりましたね。意識あわせとしては、パート毎の練習が効果的ですが、じつはなかなか出来ていません。限られた時間をどのように使えば効果があがるか、これからもいろいろなアイデアを出しながら良いものを取り入れていきたいと思います。
笹崎:そういえば、ネットに流れているこのヴィオル・コンソート(ヴィオラ・ダ・ガンバの合奏)の響きや弾き方を勉強しておいて・・・って情報流したり、ということもやりましたね。
佐藤:「ツイガーヌ」なら、「五島 龍さんの演奏を聴いといてね」とか。
ーーさて、今日は本番の前日にあたります。何割くらいのところまできているんでしょうか?
小出:それに答えるのはなかなか難しいですね。ふつうにいえば本番で120%の域に持っていきたい、っていうところだけど。
笹崎:どこを目標にするかというのもあるし。
佐藤:ただ、ぼくらの演奏というのは、リハーサルまでにできたこと以上のことはできないんです。本番では、リハーサルまでに実現できた良い瞬間瞬間をどれだけ再現できるかが勝負。だから練習のときに120を経験しておかないと(笑)。
▲左から:MMO代表・庄山恵一郎、笹崎 譲、小出雄聖、佐藤洋志の各氏
●・・・と、その結果は、片鱗をぜひ今後紹介予定の動画で確認してください。
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