ハイ・コストパフォーマンスと現代的なパワフルさをセールスポイントにしたギターの新シリーズが登場した。「晶ギター」だ。ひとりの製作家による完全な手工ギターではないが、現代的なサウンドが追求され、ナイロン弦ギター〜クラシックギターらしさを備えながらも鳴りっぷりと弾きやすさに注目したい。エレキギターやアコースティックギターから持ち替えたい人などには最適なチョイスになりそう。
プロデュースを一手におこなっているのは晶氏こと笠井晶さん。
「鳴りのよさを求めて薄い表板にラティスブレーシングを採用しました。品質を落とさずこなれた価格のギターを提供することで、もっとナイロン弦のギター、クラシックギターが普及してほしい」。
●ラティスブレイシングとエレベーテッド・フレットボードについて
このシリーズの大きな特徴はまず見てすぐわかるフィンガーボード。ハイポジションを弾きやすくする工夫が施されていること。
もうひとつは力木の配置。表板の持つ材の特性、振動を音楽に変えるのが、この力木の働き。ふつはハの字型に数本張られるのがトーレス以来の伝統のひとつだが、このギターでは格子型が採用されている。
ほかにも演奏者が音をダイレクトに直接音を聴けるシングルポートを採用していること、トップモデルにはアームレストが標準で組み込まれていることなど、弾きやすさ、使いやすさを追求している。
これらのアイディアは、クラシックギターの潮流の中では、異端視されがちだったものだが、それぞれ先進的なギタリスト達には注目されてきたものだが、超高額の手工製モデルにしか採用されて来なかったもの。それらを身近に自分のものにできるというのもうれしい。
この「鳴り」はぜひ体験してみてほしい。