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石村隆行×竹間久枝 20日(土)けやきホール 15時開演

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20130420_01 石村隆行と竹間久枝による、マンドリン・デュオ・リサイタル東京公演が4月20日(土)に迫った。場所は東京渋谷・古賀政男音楽博物館1Fけやきホール(15時開演)。翌週4月27日(土)京都・バロックザール青山音楽記念館(18時開演)でも予定されている。師弟コンビによる貴重な公演だ。
 石村隆行氏に今公演の共演者・竹間さんについて、また、プログラムの聴き所について聞いた。

——竹間さんとの出会いについて教えてください。やはりコンクールということでしたか?

石村:初めて彼女と会ったのは、竹間が言っているように彼女が初めてコンクールに挑戦した折にピアノ伴奏をしていた平田昭浩氏から紹介されたと記憶しています。
 確かそのコンクールでは、予選を突破できなかったのかな? しかしその後も諦めずに精進を続けて、ついには第一位を勝ち取るのですが優勝した時は本当に嬉しかったですね。

——その後、フィロドリーノに誘つた理由、または、きっかけを、教えてください。その後も何回か共演されますよね?

石村:フィロドリーノには、技術的に優れた奏者だからなのはもちろんですが、彼女の作品に対する感覚が鋭く豊かで、指揮者の指示を、ただ正確に再現するだけでなく、指揮者の意を汲んだうえで自らも音楽を創れる奏者だと思ったからです。また、私の合奏の進め方作り方が多少なりとも彼女にとって得るものがあるのではないかと思いました。
 連続して誘ったのは、彼女と室内楽(フィロドリーノの演奏会は毎回室内楽ステージを設けています)がやってみたかったからです。

 彼女の演奏には自身の人柄が色濃く表れたもののように思います。意志の強さ、おおらかさ、繊細さが相まって生き生きと自然に音楽を紡ぐ感じというか・・・。
 コンクールで弾いたモーツアルトのコンチェルトもそういった演奏でしたね。

 今回、練習で久しぶりに彼女の演奏に触れて、また初めてデュオをやってみて音楽家としていっそう成長した演奏に驚きと喜びを感じています。こりゃあ負けられんぞ、という焦りも(笑)。
 二人とも音楽と演奏に対する方向性には共通の部分は多いのではないかと思います。プログラムにはマンドリンのために書かれた作品もそうでない作品もありますが、マンドリンという個性的な魅力を持った楽器による演奏を通じて、作品の魅力を聴衆の方々に届けたい、といった想いは同じではないでしょうか。

——プログラムの内容を少し説明してください。

石村:第1部はそれぞれのソロですが、選曲は単純に今弾きたい聴いてもらいたいという意図で各々決めました。結果的に、ベートーヴェンから現代の作品まで時代時代を網羅した面白いものになりました。

 マンドリン合奏曲でお馴染みのジュディチの作品は私がイタリアで発見したもので、作曲家の近代的で独特な個性を楽しんでもらえるのではないかと思います。小櫻先生とは先生の初めて書かれたマンドリン独奏作品を委嘱、初演させていただいた縁で、先生の作品は私にとって大切な存在になっています。「トッカータ」は先生の最新のマンドリン独奏作品です。

——フリッツェリとデ・べリオという音楽家には馴染みがないのですが、この人たちについて教えてください。

石村:フリッツェリはイタリアに生まれフランスで活躍した盲目の作曲家でヴァイオリニスト、マンドリニストです。ハイドンの9歳下でモーツアルトの15歳上になります。マンドリンのための6つのソナタを1771年に出版したことが判明していますが楽譜は発見されていません。
 今回演奏します協奏的二重奏曲はロンドンの大英博物館で見つけたもので、極めて技巧的な作品ですが2つのパートを対話風に扱い、楽想も華麗で気品があり魅力的です。

 1802年生まれでベルギーの作曲家デ・ベリオはマンドリン独奏の世界では、ムニエルが編曲した「舞踏の情景」でお馴染みです。カラーチェやラニエリなどの著名なマンドリニストたちも好んで作品をレパートリーに組み入れていたようです。所謂ヴァイオリンのヴィルトゥオーソ系の作品でありますが、マンドリンで弾いてもそこまで無理はなく、マンドリンならではの演奏効果も期待できると思います。

 コンテンポラリーとヒストリックなマンドリン音楽が、真に卓越した演奏で聴ける。そしてマンドリンを越えた音楽が、マンドリンの、まだまだ秘められた魅力が花開く公演となるはずだ。ぜひ“音楽ファン”も誘って出かけたい。二人の最高にコンディションの良いヴィンテージ楽器、その音にも注目! お聴き逃しなく!

石村隆行×竹間久枝 マンドリンデュオリサイタル
出演:
石村隆行|竹間久枝(マンドリン)、大國享子(ピアノ)。
15時開演
【プログラム】
アダージオ/ベートーベン
ヴァイオリン協奏曲ニ短調より第一楽章/メンデルスゾーン
黄色がかった小ソナタ/ジュディチ
マンドリンソロのための「トッカータ」/小櫻秀爾
〈デュオ〉
協奏的二重奏曲第二番ヘ長調/フリッツェリ
協奏的二重奏曲第一番ト短調/デ・ベリオ

一般3500円(前売り3000円)、学生2500円(前売り2000円)。全席自由。

チケット取扱い:イケガク TEL:03-5952-1391 E-mail: info@ikegaku.co.jp
問合せ:絃楽器のイグチ TEL:03-3378-5357

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