ギターの時間|gtnjkn

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ギター演奏会報告

岡本拓也、きらめく未来を聴かせた一夜

岡本拓也岡本拓也ギターリサイタル~渡欧記念~
2011年4月16日 ヤマハホール(銀座)

岡本拓也くんのコンサートが銀座のヤマハホールで行われた。 この春高校を卒業し、ヨーロッパ留学を前に記念のコンサートである。 東日本大震災を考慮し、コンサートの開催を悩んだという。彼自身も浦安で震災の影響を受け、不便な日々があったそうだ。 しかし、いま自分がやれることを、音楽を届けたい、という彼の思いから開催された。結果チケットは完売。 会場を埋め尽くす観客の笑顔と拍手にも、岡本くんの素晴らしい演奏を堪能した喜びが感じられた。
プログラムはクラシック・ギターの代表曲とも言える名曲がずらりと並ぶ。 クラシック・ギターファンならば誰もが耳にしている。ある意味、難曲。これらを若きギタリストはどう演奏するのか。
1曲目のソルの魔笛から、岡本くんの豊かで明るい華やかな音色が響く。 彼の音は特別太いわけではない、軽やかな音色。だが、豊かな響きと明るく喜びに満ちている。そして自在な歌い回し。特に魔笛や第二部のバリオスのワルツで は、もしかしてこれ以上やったらかっこつけ過ぎ?の手前でうまく聴かせる。にくい!絶妙な表現。聴いていて楽しくなる。もっと聴きたい。
okamoto08.jpg 初めて 彼の演奏を聴いた6年前を思って感慨深くなった。ギターを弾くことが本当に好きなこの少年はどこか違う、何か違う、私だけでなくきっと皆、思っていたのか もしれない。音楽には技術だけではすまない、様々なことが現れてくる。感受性や人間性、まっすぐな姿勢や人柄の良さがやはり彼の音楽には感じる。 これからさらに海外での経験を積み、次は私たちにどんな演奏を聴かせてくれるのだろう。
(撮影/文:kaerucamera)
【第1部

魔笛の主題による変奏曲(F.ソル )
さくらの主題による変奏曲(横尾幸弘 )
スペイン風3つの小品   ファンタンゴ、パッサカリア、サパテアード(J.ロドリーゴ)

第2部
大序曲(M.ジュリアーニ)
大聖堂
前奏曲~郷愁、宗教的なアンダンテ、荘厳なアレグロ(A.バリオス )
ワルツ Op.8-3  ワルツ Op.8-4(A.バリオス )
J.K.メルツ ハンガリー幻想曲(J.K.メルツ)
アンコール
フリア・フロリダ(A.バリオス )
アルハンブラの思いで(タレガ)
早春賦(武満徹編)

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