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ギター演奏会報告

楽譜集“「ギターのしらべ」コンクール”受賞者による大きな意義あるコンサート

「ギターのしらべ」著者 斎藤松男 主催による
ギターコンクール受賞者コンサート、盛会

 クラシックギターの楽譜集の中で人気の高い本はいくつかあるが、「ギターのしらべ」(リットーミュージック)も、発売以来版を重ね続けているベストセラーと呼んでよい楽譜集の一つだ。著者は斎藤松男さん。
 ギターの時間でも斉藤先生へのインタビューを早い時期に掲載し、以来アクセス件数はベスト10に常に入っている。

 門下生も多く、ギター教室を開くに至ったギタリストさんも多い。そこで、長年慕って教室に来ている人たちのために、2003年以来ミニコンクールを開催してきた。今年、そのコンクールが10年目を迎えたことを記念して、9月23日、東京・武蔵境スイングホールで、これまでの大賞受賞者6人と金賞受賞者5人による「受賞者コンサート」を開催した。

 ギターファン、「ギターのしらべ」ファンにはうれしいイベントとなったこの日は、斉藤先生は聞き役に徹してステージ袖から、出演したこれまでの受賞者の演奏に耳を傾けていた。なお、これまで審査員として関わって来られている東京バラライカアンサンブルでコントラバスバラライカを担当している小林雄平氏も参加した。
 会場は斎藤ファンでいっぱい。ステージには立たなかったがこれまでの金賞受賞者もかけつけた。その受賞者たちには、コンサートに先駆けて、特別にデザインされた賞状が改めて渡され、受賞者たちはうれしそうだった。なお、これら受賞者たちはそれぞれコンサート活動も盛んで、この日も以前の大賞者である松浦・高島さんらはほかにコンサートがあり、残念ながら欠席となった。門下生は、さらに全国におり、遠くオランダ在住の方なども後日、この日の知らせをうれしそうにしていたと聞く。

 ギターの楽しみは、大きなコンクール、有名コンクールを目指すことだけにあるのではないことを身をもって実践しているのが斉藤先生だ。「クラシックギター」愛好家は、一家言をもっている人がアマチュアにもプロにも多い。独特の社会を形成しているように見えることがある。そういうことと無縁の立場にいるのが斎藤松男さんという人だ。見方を変えれば、そこは「斎藤村か?」という人もいるだろう。でも、それは当てはまらない。
 来る人に対して常にオープンなのだ。この「こだわりがない」という“こだわり”に共感するギターファンは、ぜひ1度「トニカル」の扉を叩いてみることをお勧めする。

斎藤先生のギター教室「トニカルギター教室」情報。
http://294bros.heteml.jp/saitoh/kyositu_guide.html

 ところで、斉藤先生は木彫りの趣味を持っている。これが玄人はだし。教室内は、小物から看板、オルゴール、足代、指揮棒などの自作品で囲まれている。「彫って作る」版画も得意でこれまでにも個展を開いたことがあるほど。その個展を来年2013年早々開催予定だという。そこでは小物の販売もありというから楽しみだ。

 一方、木彫り〜木工の腕は、じつはギターに対しても発揮されている。ギター修理/仕上げ、とくに特殊技術に属する「タンポ塗り」のテクニックを身につけるためだけにスペインに渡り、マスターしてきた経験を持つ。所有するラミレスはもとより、生徒さんの楽器修理経験も豊富で信頼も篤い。信頼できると思っていた楽器屋さんや製作家の手を経ても効果が上がらなかった苦い経験からも、自分でやってしまうことにしたという。自らが演奏家でもあるだけに、信頼度は高い。が、公式に修理の看板をだしているわけではない。
 しかし、ここだけの話、修理の相談にも応じてもよい、と返事をいただいた。
 気になる人は、上記「トニカルギター教室」に連絡してみてほしい。

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