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マンドリン演奏会報告

高柳未来マンドリンリサイタル

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11月27日前橋文学館にて、高柳未来マンドリンリサイタルが行われた。
高柳未来さんは10月に萩原朔太郎作曲「機織る乙女」を含むデビュー・アルバム「マンドリン・レボリューション」をリリースしている(キングインターナショナル/既報)。今コンサートは、前橋文学館の特別企画展「萩原朔太郎の音楽」関連イベントとして行われた。

【スライドレポート】


maebasi003.JPG 第1部では朔太郎と師匠たちと題し、「機織る乙女」や、朔太郎にゆかりのある曲、実際に朔太郎が演奏した曲が、解説を交えて披露された。解説はキングインターナショナルの宮山幸久氏。高柳氏を見出したプロデューサーだ。この解説は、朔太郎と師匠たちとの関係や曲のイメージがとてもわかりやすく紹介され、しかも音楽会の流れを損なわず、作品理解を助け充実した内容だった。


第2部はピアノの見世真里奈さんが加わり、「マンドリン・レボリューション」の中から華やかな演奏を聴かせてくれた。


独奏曲ではあたたかみある優しく美しい響きで聴かせ、またピアノとともに華やかで豊かな音楽を奏でる。高柳さんの演奏は今後の活躍をますます期待させるものであった。


【演奏曲目】
(第1部)
機織る乙女(萩原朔太郎)
庭の千草(此留間賢八・編)
ずいずいずっころばし変奏曲(田中常彦)
月に向かいて(サルコリ)
練習曲「舞踏と幻想」(高濱孝一)
トロイメライ(シューマン)
ドナウ川のさざなみ(イヴァノヴィチ)

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(第2部)
チャールダーシュ(モンティ)
アンダンテと変奏(ベートーヴェン)
モスクワ(デッカー=シェンク)

■特別企画展「萩原朔太郎の音楽」会場には、朔太郎が愛用したマンドリン、直筆の楽譜や原稿、古い楽譜集が並び、朔太郎の音楽への興味や取り組みが偲ばれた。今展、開期は2010年12月19日で終了だが、全国巡回展示などしてほしいくらいの内容に思えた。朔太郎の直筆楽譜の内容は、写譜したものから、自作のメモ、練習用のスケールなどかなり盛りだくさんで、彼の音楽に対する熱心さ、愛情が伺える。また、当時の楽譜集などに掲載されている曲なども、日本のマンドリン〜つまりは日本のクラシック音楽が、官製ではなく、民間人の手でどのようにして定着していったか、といったことも伺えそうで興味深い。

前橋は東京から近い。とはいえ、気軽に足を向けるにはちょっと距離がある。毎年行われる朔太郎音楽祭と、もっと連動して、もっともっと多くの音楽ファンに触れてほしい内容だと思う。

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