クボタフィロ、ポップスコンサートまであと3週間

久保田孝&オケメンバー・インタビュー
ポピュラー音楽をきちんとやる意味とは?

 日頃クラシック作品と向き合うことが多いオケが、ポピュラー作品を取り上げる。それもポピュラー曲だけでコンサートをやるというのは、とても興味深い。久保田さんの思考(志向)が、ポピュラー音楽にも向いているのは、名門オケの志向に通じるものだと思う。アメリカではボストン交響楽団がポップスオーケストラを組むことは、前回記事で紹介した。イギリスの名門オケにもその志向がある。ロンドン交響楽団がクラシック音楽のほかに、『スター・ウォーズ・シリーズ』をやったり、ロイヤルフィルが、ビートルズ、ピンク・フロイド、アバ、クイーン、フィル・コリンズ、ビーチボーイズ、ディープ・パープルといったロックのキラ星のようなスーパースターとコラボレーションしたり。こうしたことに一脈通じる「音楽への愛」を感じる。これが、うれしい。

 ともかく名手による普段と異なる趣向の音楽は、エンターテインメントとして極上のものを期待させる。団員さんと久保田孝さんにリハーサル現場で話を聞いた。

kubotaphillo2012

ーー久保田先生は、クラシック音楽、ロシア音楽がお好きなことは重々承知していますが、久保田先生のプロフィールを拝見すると歌謡曲やポピュラー音楽にも偏見を持っておられないことがわかります。そうした志向を団員の方がふだん感じることはあるんですか?

宮崎:先生は打楽器を叩くこともあるんです。たとえばコンガもお上手なんですよ。ステージ前に楽器を置いておいて指揮をしつつ、その場になったら叩く、といったこともやることがあります。そんなとき、クラシック音楽の指揮者としてではない側面を感じますね。

久保田:以前、原信夫さんがご自身の楽団シャープス&フラッツなどで、音楽そのものは、もう楽団任せ。指揮せずに自分もサキソフォーンを吹き捲くるという光景がありましたよね。そういうノリは、好きです。コンガだと立ったままで叩けますし。

 こないだ打楽器の専門家の方を呼んで全員参加で打楽器の講習会をやったんです。叩き方を説明してもらい、みんなそれぞれ試してみました。コンガ、マラカス、スネアドラム・・・。とてもよかったですね。
 僕は学生の頃、ラテンバンドにも興味があったので、ラテン打楽器、特にマラカスやコンガは聴くのも、見るのも、叩くのも好きですね。

ーーマラカスなどはきちんと教わるかしっかり練習しないと、とてもリズムに合わせられないですよね。

久保田:そう。それでその講習会でみな改めて興味をもってもらいました。今回のコンサートでは、一人だけプロの方をお願いしますが、その他のパーカッションは団員がいくつかの打楽器を、マンドリンから持ち替えて、分担して担当します。

ーーああ、それはおもしろいですね! ステージの雰囲気がいつもと変わりますね。

久保田:いま、フィロでは打楽器パートのひとも募集しています。

ーーそうですか。ぜひこの記事を読んだら、手を上げてほしいですね。

久保田:団員として打楽器パートがいるとふだんの練習から少し変わりますからね。細かい感じまでつかみやすくなりますから。

篠塚:打楽器は思った以上に難しいですよね、マンドリンはフレットで音程が決まっています。しかし、音の領域が曖昧というか感覚的だから。私はマラカスをやらせていただいたんですが、音を出すタイミングが楽器を振る動作のタイミングとは違うのでたいへんでした。

高柳:マンドリンを弾いているときは表情をつけることとかを重視してしまいます。ところが打楽器はリズムを刻むので、かなりそれぞれのリズム感が出て、そこはとても面白いな、と思いました。

ーーしかも、正確なだけのリズムでは面白くないんですよね。ノリって。

大坪:ポップスの練習をしていて思うことは、ことに学生団体とかポップスは軽視しがちかな、と感じることもある気がします。でも、ここでは全くそう言うところがありません。定期演奏会と同じくらい気を遣ってきちんと練習しています。そこを、ぜひ聴いてほしいと思いますね。

 このポップスコンサートが終わったら、先生が書き貯めたポピュラー作品を集めてレコーディングをする計画をたてています。これもぜひ期待していただきたいですね。クボタメソッドで弾く、ポピュラー音楽ってすごく聴きごたえを感じていただけると思います。

久保田:ポピュラー音楽というのは、作品自体が難しい訳ではないですよね。超絶技巧が出てくる訳でもないし。リズム、メロディ、ハーモニーがしっかりあって解りやすい。だから取り上げやすいのですが、知っているメロディだから受ける、というだけでなく、きちんとした演奏ができるところがやるとおもしろいですよね。

ーーその価値が大きなものになっていくと思います。編曲される上でのポイントはクラシック作品の場合と変わるところはありますか?

久保田:大きく変わるわけではないんですが、主となる楽器の特徴を出す、ということは考えます。

ーー今回のプログラムの楽譜は?

久保田:これまでのものです。新しく起こした作品も少しありますが。在籍年数の長い団員も多いので、今回のプログラムの経験者もたくさんいる。つまり熟練していくことができます。こういうことによる音楽ができるのも、このオケの大きな特徴だと思っています。

ーー学生オケではメンバーが入れ替りますからね。こないだ、の久保田先生が指揮された孝友会オーケストラにもそのよさが出ていますね。ところでもう全曲仕上がり間近か、なんでしょうか?

宮崎:いえ、それは・・・(笑)。1曲1曲が短めなので、やり始めると早いんですが曲がたくさんあるので、たいへんです。

久保田:今回は楽器としてリコーダーを入れたり、鍵盤ハーモニカを入れたりしています。それらとの合わせ、というのがあるので、そのぶんいつもより時間がかかる面があるんです。そこが聴き所でもあります。

ーー楽しみです! ところで定期演奏会の練習ももう始めているんですか?

久保田:まだです(笑)。定期演奏会では「ピアノとマンドリンオーケストラの為の幻想曲」が人気だったので、こrをやります。ただ、この作品には管楽器が12本はいります。それとティンパニ、グラン カッサ、シンバルが入ります。大人数なんです(笑)。ソリストの人選、スケジューリングもたいへんなんですよ。でも第20回という記念の演奏会だし、私もやっぱりやりたい、という気持ちが強いので、プログラムに組み込むことにしました。

 全体の時間も少し長くなりそうですが、いつも、少し物足りない、と言って下さるお客様も多いので、今回は堪能していただこうと思って計画しています。

 ポピュラーミュージックコンサートまで残すところ3週間を切り、クボタフィロは、いまラストスパートに突入している。その勢いで来年2月の定期演奏会〜3月(予定)のレコーディングと忙しい。しかし今年は春から現在にかけて新メンバーも10名以上加入し補強されたと聞く。充実したサウンドが、まずは11/11の公演で聴ける。会場は中規模のホールだ。ぜひ前売りをゲットしておいてほしい。往年のストリングスオーケストラによるムードミュージックとは異なる、マンドリンオケだからこそ聴けるブライトで、ソリッドで、しかし柔軟さを併せ持つ鮮烈なポップスが堪能できるはずだ。

2012年11月11日(日)
13:30開演(13:00開場)
会場 : 板橋区立文化会館 小ホール
東武東上線「大山」駅 下車 徒歩5分
都営三田線「板橋区役所前」駅 下車 徒歩7分
入場料: 一般2,000円/学生1,000円
問合せ・チケット取扱い:
クボタフィロマンドリーネンオルケスター事務局
〒202-0004 東京都西東京市下保谷3-2-4
TEL: 042-422-6368
FAX: 042-422-7772
URL: http://www.philomandoline.com/
E-mail: philomandoline@yahoo.co.jp

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