「フィンランディア」「だったん人の踊り」早稲田大学マンドリン楽部定演動画公開

 2010年12月17日、第185回定期演奏会となる早稲田大学マンドリン楽部の公演を取材した。プログラムは、3部構成で1部3部がクラシック音楽。中間の2部に「金曜ロードショウステージ」と題して映画音楽を並べた(別表参照)。取材申し込みにあたり許諾をいただき、このうち1部から「フィンランディア」(作曲:シベリウス)を、3部から「ポーロヴェツ人の踊り」(通称「だったん人の踊り」。歌劇「イーゴリ公」より。作曲:ボロディン)を動画撮影、YOUTUBEに公開した。
第185回定期演奏会スライドショー
フィンランディア
ポーロヴェツ人の踊り

 第1部、3部のクラシック作品は、赤城淳氏の編曲。長くこの楽団の指導にもあたられた人と聞く。これらの作品はそれだけに、伝統的レパートリーになっているのかもしれないが、マンドリンによる弦楽セクションとフルート、クラリネットとの配合が絶妙だ。
「フィンランディア」にあっては、金管がいないにもかかわらず、「金管がほしい!」と思わせる瞬間がない。最後までない。マンドリンと数少ない木管で、一気に聴かせる。
 また、「ポーロヴェツ人~」の第2曲、有名な「 娘達の踊り: Andantino, 4/4, イ長調」の冒頭、女性コーラスが聴こえている。編曲バランスのせいなのか、楽器の鳴らし方、演奏方法なのか、指導の方法なのか? ともかくそう聴こえる。最初フルートがかぶっている、と思ったが、フルート、この時は休符。思わずうなる。
 しかも、YOUTUBEに公開してから気がついたのだが、「 娘達の踊り」部分の動画は多い。フルコーラス聴かせているものは数少ないのだ。たいくつだからか? 手前味噌というか、ひいき目なのか? この演奏、飽きないのだ。みなさんはどう聴くだろう? 

 ところで、メンデルスゾーンもドボルザークもカバレフスキーも「弦」で聴かせる作品。2部の映画音楽も、その全てが腸を馬のしっぽでこする「弦」主体で聴かれることの多い作品だ。これをマンドリンでじつにしっとり聴かせている。
 余談だが、そもそも映画音楽というのは弦のアレンジに優れている人にしか発注が来ない世界。スクリーンというメディアがクラシカルなストリングスの響きと融和しやすいのだ。緊張感も、リラックスも。そういうふうに作られてきた。もちろん数少ない例外的成功はいくつもあるが。
 そういう目で今回のプログラムを見返すと久石さんの弦、岩代さんの弦、パイレーツオブカリビアンの弦。ツボを得た選曲だ。7作品のうち4曲のアレンジを担当した進藤知哉氏は、現在のこのマンドリン楽部顧問として指導にあたっている。

 早稲田大学マンドリン楽部は再来年100周年を迎える。ここも伝統クラブのひとつといってよいだろう。が、団員のことを考えると、半数かそれ以上は大学に入って初めてマンドリンに触れている。つまり1年生は始めてから平均9ヶ月ということになる。高校時代、あるいは中学の頃からの経験者もいるだろう。が、こうした団員構成で、説得力のあるパフォーマンスを発揮している団体に接するだびに、「マンドリンってすごい/おもしろい!」と思う。
 4年生はこの季節の定期演奏会で、部を去る。定期演奏会が、この季節にしか集中できないのもよくわかる。だからこそ、なお、来年は、工夫して、もっとたくさんの大学マンドリンクラブに触れたい。そう思う年の瀬だ。

【プログラム】
<第一部>

「紺碧の空」作曲/古関裕而 編曲/赤城淳
「真夏の夜の夢」より結婚行進曲 作曲/メンデルスゾーン 編曲/赤城淳
「スラブ舞曲第10番」作曲/ドヴォルザーク 編曲/赤城淳
「フィンランディア」作曲/シベリウス 編曲/赤城淳
<第二部>
金曜ロードショーステージ
シネマ・ノスタルジア/久石譲(進藤知哉 編)
ムーン・リバー/マンシーニ(赤城淳編)
ニュー・シネマ・パラダイス メドレー(赤城淳編)
マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン/ホーナー(進藤知哉 編)
パイレーツ・オブ・カリビアン メドレー/バデルト(田野井蔵人 編)
ザ・ビギニング/岩代太郎(進藤知哉 編)
アシタカとサン/久石譲(進藤知哉 編)
<第三部>
「道化師」より抜粋 作曲/カバレフスキー 編曲/赤城淳
「だったん人の踊り」作曲/ボロディン 編曲/赤城淳

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