9/19メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ演奏会 直前ツイートまとめ!

 ツイートのまとめアプリ「togetter」にメトロポリタン・マンドリン・オーケストラ笹崎氏のコメントがまとめて公開中。http://togetter.com/li/186485
 本番直前! 楽曲解説を、さらにまとめてここに公開。(原文:まま)
写真:左上より時計回りに。湯浅譲二、ドビュッシー、シベリウス、ラヴェル
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 これから主に編曲者・企画者の視点から、若干ご紹介していきます。ちょっとの間だけ連投しますが、なにとぞよろしくお願いします(年に何度もないマンドリン系ツイート&真面目なツイート)。

湯浅譲二:エレジイ・哀歌
 2008年にメトロポリタン・マンドリン・オーケストラが委嘱した作品です。

「今年二月に私は妻を亡くした。来る11月で丁度50年目になる結婚生活だった。私の心に大きな空洞が生じ、3月初演予定の曲は完成することが出来なかった。
 この曲は、そうした私自身の気持ちに、区切りをつけようと思い、委嘱を受けて構想を始めていたものを、変更して作曲に向かった。具体的な曲想などの解説はさけたいと思うし、又不要だとも思う。ただ、聴いていただければ幸いと思う。(2008年 作曲者記)」

 「今回のこの曲が大災害にあわれて亡くなられた方々に対しての曲ともなれば、幸いに思う。(2011年 作曲家追記)」

 この曲から発せられる音楽表現は、 人間が言葉を持たなかった頃から持っている根源的な悲しみの感情ではないかと、 個人的には思います。

 「エレジイ・哀歌」の最後には、透明な響きのコラールが現れるのですが、僕はマンドリン・オーケストラでこうした和声を聴いてみたいとずっと思っていたものでした。複雑な和声ですが、澄み切った宇宙の響きがします。それは心の内なる響きでもあるように感じます。

ドビュッシー(笹崎譲編曲)/牧神の午後への前奏曲
 マンドリン・オーケストラの響きと楽曲の相性で言うと「ど真ん中」の関係性だと思っています(ど真ん中かつ超有名曲だけに今まで避けてきたような気が…)。熟考の末、楽曲の世界観に忠実なオーケストレーションに。

 編曲前には各種分析を読破。慣れないフランス語も、Google翻訳で素敵な迷文に。でも僕の知りたい分析結果はあんまりなくて、最終的には自分で分析(意外な動機の変形が見つかったりして)。いくつかの推論を導き、オーケストレーションに反映しています。

 管楽器の息継ぎの都合を考えなくてよいこともあり、楽曲に忠実な表現が実現しやすいメリットを感じています。また、ソロ楽器の配置はちょっとだけ変わっているかもしれません。

シベリウス(笹崎譲編曲)/交響曲第4番より第3楽章
 ここ数年、Sibeliusの音楽を続けて取り上げています。1人の作曲家に焦点をあて、時間をかけて演奏メンバーの理解度・共感度を上げていく、というアマチュアだからこそ可能なことを目指しているつもりです。

 交響曲5・6・7番、ヴァイオリン協奏曲に引き続き、今回は玄人好みの4番を取り上げます。全曲取り上げたい気持ちを抑えつつ、今回は深い絶望の淵の音楽、第3楽章を。

 主観的な悲痛の表現は、もしかすると、マンドリン・オーケストラで演奏することで少々客観的側面を持ち、かえって人間共通の絶望として客席に届けられる可能性があるのではないかと思っています。これがそもそもの選曲意図。

 編曲はいったんすぐ終わったのですが、どうも自分自身でしっくりこなかったのです。そこで新たにピアノ編曲を行い、自分で何回も弾いた上で細部に手を入れるという作戦に。畏怖感のようなものを表出しやすくしたつもりですが、客席にどう届くでしょうか。

ラヴェル(笹崎譲編曲)/弦楽四重奏曲
 この曲は、ずいぶん前から取り上げようと思っていました。相性いいですからね。今まで取り上げなかったのは、一言、編曲がたいへんだから(笑)。やはりオーケストレーションの名人Ravelの作品を編曲するのは覚悟がいります。

 編曲にあたっては楽曲分析を細かく行うのですが、そこで見えてきたことは、ラヴェルが作曲上の厳しい制約を自身に設け、実に精緻な組み立てを実現していることでした。この曲を選んだことが僕自身を苦しめることになることが、より明白になった瞬間でした。

 曲の重要箇所がほとんどすべてA音から始まることを突き止めたのも、楽曲分析の結果でした。イ長調でもないのに。さらに第3楽章に至っては変ト長調で音階にAの音がないのに。ほかにも主題の連関性など、細かな仕掛けがさまざま施されていることを知ります。

 ここまで精緻にできているのであれば、むしろ解き明かされた仕掛けに忠実に編曲しようと決めました。ハープや打楽器を入れることは何年も前から決めていたので、26段の譜面になっています。原曲とは違った角度からこの曲の姿に迫ろうと心がけました。

 ラヴェル自身が弦楽四重奏曲のオーケストラ版を作らなかったのは、オーケストラでは多少大げさになりすぎてしまうと考えたからかもしれません。この点、マンドリン・オーケストラでは、心地よい関係になりそうです。

 僕自身は、ラヴェルは弦楽四重奏曲をオーケストラ編曲することよりも、この曲で獲得した語法を拡大して新しい曲を作り上げる方向に向かったのではないかと想像します。つまりこの曲は後の傑作「ダフニスとクロエ」などの種子である、という捉え方でしょうか。

 したがって編曲中は横に「序奏とアレグロ」「ダフニスとクロエ」「子供と魔法」などのスコアを開いていました。ところどころにオーケストレーションのエコーが聴けるかも。原曲に比べると、音数はそれなりに増えています。

ということで、「9/19(月・祝) 14時開演 紀尾井ホール メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ第22回演奏会」よろしくお願いします。
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9/19 紀尾井ホール(東京・四谷)開演:14:00チケットは「ギターの時間 オンラインショップ」へどうぞ。

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