望月 豪に聞く2011年からの10年(6)

playscouplet望月:この2年間でリベルテは大きく変わりました。ひとつは聴けているようで聴けていなかった、という部分があることを自覚出来たということ。それによってアンサンブル力が以前と比べて格段に上がったと思います。それから音のレンジとか。
最初、僕もそうでしたが、マンドリン属の楽器はピアニッシモがきれいに出る楽器、という意識が強くて、大きな音の方向でのダイナミック・レンジではなく、小さい音をきれいに出そうとすることばかりに意識が行っていました。それは僕らの強みでもあると思うのですが、でも中川先生は「仮に音がこれ以上出なかったとしても、出すべきところはもっとがむしゃらに出して!」と言うんです。 「マンドリンではそんなに大きな音は出ないんです。出したら汚くなってしまうんです」と当初は思っていましたが、でも気付けばいつからか本当に音が出てきた。単純に音量というのとはまたちょっと違う意味での大きな音、強い音が出てくるようになってきました。そしてそれは音楽としての幅につながったと思います。今言ったのはほんの一例で、こういうはっとするようなことがたくさんありました。マンドリンオーケストラをそういう純粋な音楽という視点で見て下さる指揮者というのは、実はそんなに多くないんじゃないかなと思います。


ーーそんなに大きな音が出るわけがないという音がなぜ出るようになったんでしょう?


望月:わかりません(笑)。でも多分、気持ちでしょうね。中川先生も、「もし音量が実際に限界だったとしても、がむしゃらな感じ、もっとしゃかりきに弾いて!」と、さかんに、おっしゃいました。自分のボーダーを取る、っていうのはとても大事で意外に自分で自分のブレーキをかけていたんだ、って後から皆気付きました。おかげで演奏会が終わった後、弦が完全に死んじゃってるんですけどね(笑)。


ちなみに望月さんは、基本的に演奏会前には変えるそうだ。交換時期は曲によって直前だったり少し前だったり。ラヴェル「マ・メール・ロワ」を弾いた時は全員に1週間前には変えてもらうよう指示して、バルトークのときは前日。ソロの演奏会のときは前日または、当日。ほかに、線によっても変え時期は異なるという。「例えばA線、E線なんかは、自分の楽器の場合は3、4日前に変えると本番一番鳴ります。もちろん、直ぜにどれくらい弾くか、というのも考慮に入れます」とのこと。弦が死ぬような演奏。今年もたくさん聴かせてください!

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