ギターの時間|gtnjkn

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マンドリンインタビュー

望月 豪に聞く2011年からの10年(2)

フランス←左写真クリック=youtube:
(上)ラヴェル:ツィガーヌ
2010.8.20 Paris Ravel Tzigane
(Mandolin: Go Mochizuki,Piano:Hiroaki Takaha
(下)
鷹羽弘晃:水上の月(マンドリン・ソロとマンドリンオーケストラの為の)マンドリン独奏:望月豪、リベルテ マンドリン アンサンブル
2010.10.10 Osaka International Mandolin Festival & Competition 2010
Hiroaki Takaha: Moon on the water (for Mandolin solo and Mandolin orchestra) Mandolin solo – Go Mochizuki

ーーなるほど。鷹羽さんといえば、パリでの演奏会でも一緒に演奏されていますね。

望月:そうです。鷹羽さんは今もフランスに留学されていて、たまたま「8月に出ない?」と声をかけてくださって。それで夏休みをとって行きました。
ーー鷹羽さんの「水上の月」、望月さんはよく演奏されますよね。すごく尖った音の表情と静かさというか時間感覚が研ぎすまされているような・・・。曲のインパクト、演奏者のインパリベルテクト、モダンな響き。時代に対する思いになにか共通する視線や聴覚を感じます。

望月:どうもありがとうございます。元々はピアノとマンドリンソロのバージョンです。それがとても素敵な曲だったので、その後リベルテとしてマンドリンオーケストラ版を委嘱したという。鷹羽さんには、2月のリサイタル用にも「マンドリン・オーケストラ・スタディ」という曲を作っていただきました。厳密に言えば編曲に近いのかもしれませんが、マンドリンがオケの中に入っている曲を集めてもらって、ピアノ、ギター、マンドリン という変わった編成でやりました。ヴェルディの「オテロ」、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」、レスピーギの「ローマの祭り」、プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」ですね。この案も鷹羽さんのものです。本当はマーラーの交響曲第7番も候補に上がっていたのですが、曲の長さの問題もあり今回は実現しませんでしたが、いつかこれをやりたいですね。これが将来的に、マンドリニストにとって、いつでもオケの賛助が出来るように、という登竜門の編曲集になればいいですね。
鷹羽さんといえば、2011年2月にはアンサンブルテスタカルドが新曲を演奏しますよ。水上の月は調が残って聞きやすいですけど、今度のはだいぶ好き放題されるようなという話でした。


ーー鷹羽さんの曲だけでなく、2010年はたくさんの曲を初演しましたね。


望月:そうですね。リサイタルでは久保田翠さんにもギターとのDuo曲も書いていただきました。これは以前の取材でも取り上げていただきましたね。五線譜は全く使わない、図形楽譜でした。演奏という行為を普段とは違った切り口で捉えたような作品で新鮮でした。大阪国際では、壺井一歩さんにマンドリン協奏曲を書いていただきました。これは私がプログラムを決める際にリクエストしたものです。とても素敵な曲だったので、関東でも必ずまた演奏したいと思っています。あとは小林由直先生のソロ曲「Couplet」を大阪と東京で。これは来年(2011年)の大阪国際のコンクールの課題曲です。とても光栄なことでしたが、課題曲を初演するというのはプレッシャーは大きいですね。どうしても、模範演奏をしなくては、という意識が働いてしまいますし。11月には久保田翠さんにリベルテとしても委嘱しました。彼女のワークである「金子みすゞの歌曲集」のV(5)として。ご存知のようにこのシリーズのIV(4)は「マンドリンとの遭遇!?」で委嘱して書いていただきました。いつかCD化したいです。

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