女性四人によるマンドリン四重奏団「クアドリフォーリオ」のインタビュー続きです。
ムードメーカーの岡崎、天真爛漫な青山、冷静な小林、そしてしっかりもののリーダーの林です。個性的なメンバーですがいい組み合わせだと思います。
日頃は各自ソロ奏者として活動していますが、クアドリフォーリオでは自分にない奏法や音楽的解釈にふれることができ、表現の幅が広がってきていると感じます。
Q 現在のレパートリーは?
結成記念公演では、前半は弦楽曲、後半はマンドリンのために書かれたオリジナル曲という構成になっています。まったく雰囲気の違った曲をひとつの演奏会の中で楽しんでいただけると思います。
前半に2曲お送りするハイドンは古典派らしく、テンポなどの変化は少なくてかっちりした作りですが、音符の扱いが巧みで、ふつうに弾いても変化に富んだ音楽になります。一生懸命弾いてしまうと、やりすぎた音楽になってしまうので、加減が難しいですね。
後半のミラネージは、近代音楽の作曲家です。4つのパートが複雑に入り組んで緻密に計算されていて、練習はまるで謎解きをしているかのようです。さっき聴いたパッセージがこんどはこっちから聞こえてきた! とか、探偵になった気分で楽しんでいただけると思います。
今後はさらにレパートリーを増やしていく必要がありますが、チェロ入りのマンドリン四重奏のために書かれた曲は多くないので、たとえばオーケストラの曲を四重奏にアレンジするなど勉強していかなければいけませんね。最近ではマンドリン四重奏のほか、マンドラテノーレ、マンドロンチェロの出場できるコンクールもありますので作品が増えて室内楽が広まっていくことを期待しています。
Q 練習の進め方を教えてください。
練習は時間割と内容の優先順位をあらかじめ決めています。演奏を始めるとつい夢中になってしまいますが、限られた時間の中ですべての曲が偏りなく仕上がるよう、それぞれの曲にかける時間を守るようにしています。
また、毎回の練習に向けての事前の準備と復習には時間をかけています。スコアとのにらめっこの時間が主ですが気がづいたことがあれば、メールでも連絡を取り合っています。
集まって練習をするのは、お互いの呼吸や温度を感じて、イメージ通りの演奏になるか確認するためだと思っています。技術的に難しいといった問題は個人で練習すればいいと考えています。
これは同じようにされている方も多いと思いますが練習は毎回録音します。メンバー全員が奏者ですから、客観的な視点を失わないように気をつけています。こういった練習の録音のほか、資料などはインターネット上のサービスを利用して管理し、メンバー全員がどこでもすぐに確認できるようにしています。