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ジャズ・ボサノバ ニュース

TheDUO新作「Café Standard Ⅱ」間もなく登場。

 ノンジャンル・ギタリスト鬼怒無月とクラシック・ギタリスト鈴木大介によるギター・デュオ、The DUOの新作レコーディングが5月上旬、終了。来月ワーナー・ミュージック・ジャパンより iTUNES等を通じてリリースされる(価格:900円)。

 「The Duo」「Cinema Voyage」「シーズンズ」に続く4作目となる。鬼怒無月(きど・なつき)の形容詞は“ジャズ、ロック、プログレ、アヴァンギャルド・・・とジャンルを超えて活躍を続けるギタリスト”(写真右)。The Duoが結成された2007年前後、会って話してみると彼の音楽性は、スタートはロックであるものの、早い時期からジャズ〜現代音楽という境界線が曖昧になり、どうかするとなにに感心があるの?という話し振りで、一見とりとめがなかった。が、彼の音楽に接するにつれ、「鬼怒無月!」という一貫性が見えてきた。一部だけど。
 音楽のエレメントは多様で、ジャンルでとらえることができない。実際、いくつものプロジェクト、ユニットに所属していて、ステージの数も驚くほど多い。毎晩?一晩に2回? しかも音楽の振幅も大きい。
 彼のツイートには毎晩のようにライブ告知が続く。それが日常となっている。震災の当日もそのよく日も、淡々と?いや黙々と・・・続けている。その姿勢のウラには、いろんな思いもあると思うが、一貫している。この芯の強さに、彼の音楽の極太のエネルギーを感じる。奏でられる音楽は、たしかにアヴァンギャルドもあるけど、優しいときは限りなくやさしい。
 一方、鈴木大介。彼を紹介する時、若くして「武満徹に絶賛された」ギタリストとして紹介される。メインはクラシカルのギタリスト(写真左)。しかしお呼びがかかればジャズとも共演する(できる)。これが、また呼ばれることが多い。例えばスーパーギタリストの一人、渡辺香津巳との共演ステージも多い。
 そもそも「即興」とは、即興ではあるけど、演じられる音楽、または音響は、演奏者の脳裏にある引き出し次第。音楽の演奏される“場”に応じた反応は即興だろうけど。というようなことを微分していった結果のようなのだが、彼の脳裏には様々なラインが秘蔵されている(らしい)。「クラシックギタリストなので、その譜面を弾いていく」というようなことを話してくれたことがある。

 こんな二人は日頃は別々に活動しつつ、一年の中の一時期、TheDUO として活動する。使う楽器は主にクラシック・ギター。ときにアコースティック・ギター。ステージではドラムまたはパーカッションやベースがサポートメンバーに加わることもある。今アルバム、並んでいる曲名はスタンダードかボサノヴァか、といったところで、耳馴染みの良いギター・インストに見えるが、さて、どんな趣向が凝らされているのか・・・? 音楽の深淵が二人のコラボから見えるかもしれない。
 アルバム発表直後は、ステージも計画されるはず。彼らの動向に注目したい。

「Café Standard Ⅱ」 
1.Take Five/Paul Desmond
2.ヒア・カムズ・ザ・サン/George Harrison
3.雨に濡れても/Burt Bacharach
4.おいしい水/Antonio Carlos Jobim 
5.バードランドの子守唄/George Shearring
6.やさしく歌って/Norman Gimbel/Charles Fox
7.アローン・アゲイン/Gilbert O’sullivan 
8.If/David Gates
9.ハウ・インセンシティヴ /Antonio Carlos Jobim 
10.ホマリア/Renato Teixeira  
11.ロロ/Egberto Gismonti
12.Nowhere mind/鈴木大介
13.Blessed/鬼怒無月
14.カンタロープ・アイランド/Herbie Hancock
15.黄昏のビギン/中村八大

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